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暗闇のなかの希望――非暴力からはじまる新しい時代―― 【転載】 | ||
絶望の時代における希望の、不思議に満ちたささやかな来歴 ■■■新刊のご案内■■■ 暗闇のなかの希望――非暴力からはじまる新しい時代―― レベッカ・ソルニット 井上利男 訳 四六判/上製/236頁/定価2200円+税 発行:(株)七つ森書館 装幀:中嶋香織(『世界は変えられるII』のイラストでおなじみ) ■内容■ 1989年ベルリンの壁崩壊から、1994年メキシコのサパティスタ蜂起、1999年WTOシアトル、2001年9.11同時多発テロ、2003年地球一周反戦平和行動。時代変革のその時々に立ちつづけてきた、全米批評家協会賞受賞カリフォルニアの女性作家が語る希望の礎。それぞれの時を陣痛発作にたとえ、「現在のあり方は、未来のあり方ではない。一寸先に何が起こるか、わたしたちはまったく知らないという事実を抱きしめること――これが希望の新しい地平なのだ」。「非暴力」「非対立」をキーワードにやわらかな視点・論点で語る。レベッカ・ソルニット初邦訳作品。 「天使の(あるいは悪魔の?)言葉で囁いた、その作品は美しく、絶望の時代における希望の、不思議に満ちたささやかな来歴を明かす。不可思議で、予測もできないソルニット式宇宙の働き」(トム・エンゲルハート/TomDispatch)絶望の時代における希望の、不思議に満ちたささやかな来歴を明かす21章。 ■お申し込みはこちらへ!■ 七つ森書館 nanatsumori_mail@pen.co.jp 113-0033 東京都文京区本郷3-13-3 三富ビル TEL 03-3818-9311 FAX 03-3818-9312 URL:http://www.pen.co.jp もしくは、Amazonへ http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4822805964/qid%3D1110539397/250- 9216798-0694641#product-details ■執筆者紹介■ 著者*レベッカ・ソルニット 米国カリフォルニア州在住。ネバダ核実験場閉鎖運動など多彩に行動する作 家。全米批評家協会賞受賞作 River of Shadows: Eadweard Muybridge and the Technological Wild West, Penguin USA, 2003. SavageDreams: A Journey into the Landscape Wars of the American West, University of California Press, 1994. 翻訳*井上 利男(いのうえ としお) 戦争占領期の日米間生活格差と民主主義教育を覚えている世代。1970年代初 期、ヒッピーの聖地・トカラ列島諏訪之瀬島のリゾート開発運動をきっかけ に、奄美大島枝手久島石油基地反対運動に加わる。日本立地センター策定の徳 之島・使用済み核燃料再処理工場計画の存在を知り、時代のすさまじい様相に 開眼。その後、奥会津に移住、現在に至る。一貫して僻地に暮らしながら、底 辺から世界を見る目を養うと自負。TUP(Translators United for Peace=平 和をめざす翻訳者たち、2004年JCJ(日本ジャーナリスト会議)市民メディア 賞受賞)同人。 ■ちょっと立ち読み■ 1 暗闇を覗きこむ より 第一次世界大戦に突入して六か月、ヨーロッパ全土が殺し合いの渦中にあった一九一五年一月一八日、ヴァージニア・ウルフは「未来は暗闇に包まれている。概して、未来は暗闇であることが一番いいのではないかと考える」と日記に記した。彼女は、見通せないという意味で暗闇と言ったのであり、恐ろしいという意味ではなかったようだ。わたしたちは、これをしばしば取り違える。つまり、未来が不可知であるということを、なにか確定したもの、恐怖の実現、道が途切れた行き止まりと置きかえてしまう。だがいつも、世界の終末よりもはるかに予想外のことが起こるものなのだ。 二〇年前、ソ連が消滅したり、インターネットが出現したりする世界を、だれが想像しただろう? 当時、南アフリカの体制が変わり、政治囚だったネルソン・マンデラが大統領になるなどと、だれが夢想しただろう? ほんの一例にすぎないが、メキシコ南部で蜂起して、もっとも広く名を馳せたサパティスタ国民解放軍をはじめ、先住民の世界がこれほど盛んに復活すると、だれが予測しただろう? 四〇年前、白人以外の者や男性以外の者、また同性愛者の地位がすっかり変わったり、権力や経済、自然やエコロジーをテーマに自由で開かれた対話がおこなわれたりするようになると、だれが想定しただろう? …… 因果の法則は、歴史をとうぜん前進するものであると仮定しているが、あいにく歴史は軍隊の行進ではない。歴史は急ぎ足で横這いするカニ、あるいは石を穿つ、やわらかな水の滴り、数世紀かけて蓄積した地殻の歪みを解き放つ地震なのだ。たったひとりの人がある運動に活気を与えることもあれば、ひとりの人の言葉が、数十年も後になって実を結ぶこともある。ときには、少数の熱烈な人びとが世界を変え、大衆運動を先導し、数百万の人びとの行動を招きよせる。ときには、その数百万の人びとが憤りや理念を共有し奮起することで、あたかも天気が変わるように、世界が変わることもある。すべてに共通していることは、想像することや、希望を育むことで、変化ははじまるということ。希望をもつということはギャンブルである。希望をもつということは未来や欲求に賭けることであり、開かれた心や不確かなものが、塞いだ心や安全なものに勝るかもしれないという可能性に賭けることなのだ。生きることじたいが冒険なのだから、希望をもつということは危険であり、それでいて希望は恐怖の対極にある。 わたしがあなたにこのように言うのも、希望は、宝くじを手にソファに寝そべって見る幸せな夢とは大違いだからだ。希望は非常時にドアを破る斧。希望はあなたを戸外に連れ出すはず。未来の向きを変え、果てしない戦争を終わらせ、地球上の資源の消滅を防ぎ、貧しい人びとや底辺にいる人びとに対する虐待をやめさせるためには、すべてを賭けなければならない。希望は、単にもうひとつの世界が可能かもしれないということにすぎず、約束でもなければ保証でもない。希望は行動を求め、希望がなければ、行動はできない。ドイツの哲学者エルンスト・ブロッホは、一九三〇年代に著した希望についての大作の冒頭に次のように記している――「この情動の仕事は、生成するもの――人間自身もそれに属している――のなかにとびこんで働く人間を求めている」。希望をもつということは、あなた自身を未来に捧げることであり、未来にかかわるからこそ、現在というときに住まうこともできるのだ。 あらゆることが起こりうるが、それが起きるか否かはすべて、わたしたちが行動するかどうかにかかっている。なまけ者や無関心な人は宝くじさえ手にすることはできないが、積極的にかかわろうとする人には、いまのいま、途方もない最高賞金獲得のチャンスがある。わたしがあなたにこのように言うのは、現状に気づいていないからではない。わたしたちのアメリカが、自己破壊に走り、帝国の拡大を世界に求め、国是として支持してきた価値のすべてを破壊し、国内のデモクラシーを窒息寸前にまで締めつけていること、そして、わたしたちの文明が、人間の生存基盤である自然そのものと、海や大気と、数えきれない種類の植物と虫と鳥とを絶滅間際に追いこんでいることに気づいているからこそ、わたしはこう述べる。戦争は勃発するだろう。惑星地球はさらに加熱するだろうし、生物の種も絶滅するだろう。でも、どれくらい多くの戦争が勃発するのか、この惑星がどれほど熱くなるのか、あるいはどの種が生き残るのか――それらはわたしたちの行動にかかっているのだ。未来は暗闇。墓のなかも暗闇だが、子宮のなかも、同じように深い暗闇である。 わたしは、この本で、どのように変化が生まれるかについて、新しい見方を示したい。見過ごされている勝利をいくつか数え上げ、わたしたちの住む世界の激変ぶりを測り、多くの活動家たちが引きずっている思い上がりをとっぱらいたい。この時代、この地上にある可能性と不思議と危険とにふさわしい想像力を道連れにして、はじめからやり直したいと思うのだ。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ TUP速報 配信担当 萩谷 良 電子メール: TUP-Bulletin-owner@yahoogroups.jp TUP速報の申し込みは: http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/ *問い合わせが膨大な数になっています。ご返事が書けない場合がありますので、 ご容赦ください。 ■TUPアンソロジー『世界は変えられる』(七つ森書館) JCJ市民メディア賞 受賞!! ■第II集 も好評発売中!! |
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