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    通信   光の中を!   00・06・23
高部連交流会に参加して
                   
                 かけがえのない親友           ー美香

 私は、今日、初めて、交流会に参加した。
 まだまだわからないことがたくさんあって、もっと多くの事を聖羅のためにも、そして自分自身のためにも学んで、一緒にがんばっていきたい。そう思ったから・・・。私は部落の出身者ではない。だけど、だからといって、部落の人に対する差別が私には、全く関係ないとは絶対に思わな い。同じ人間であって、何も変わらない。現に、私にとって、聖羅は、特別な存在で、かけがえのない親友だ!! 聖羅から、私は部落の出身な の、と聞いても、特に、差別的な感情はなかった。そのことよりも、勇気を出して、私に、このことを言ってくれたことが、何よりも私には嬉しかった。聞いたからには、放っとけない。たぶん、聖羅という人と出会っていなければ、この一生懸命闘う人たちの姿を見ることはできなかったし、まったく、この新しい世界に、足を踏み入れることはなかっただろう。
 今日の交流会で学んだことは、やっぱり、まだまだ、差別は根強く残っているということ。様々な人たちが、色んな差別を受け、部落出身者の人たちを受け入れようとはしない・・・。どうしてだろう・・・?何でなんだろう・・・? 自分にとって、かけがえのない人間は、やっぱり、部落出身者であったとしても、大切な人に変わりはないんじゃないだろうか・・・? 友人が、そのように、悩み苦しんでいたら、一緒に立ち上がり、これからがんばっていこう、そう思わないのかな?! と思う。
 部落出身者の人たちが、こんなにもがんばって、「差別をなくそう」と叫んでいても、差別は起きる。ならば、私のように、部落出身者でない人 が、もっといっぱい、いっぱい、叫ばないといけないんではないだろう か。 
 部落じゃないから・・・とこの差別は、関係ないわけない。もしかしたら、私だって、あなただって、こういう立場だったかもしれない。
 聖羅との出会いで、私は、少しずつ、自分を変えたい、そう思うことが出来た。私が苦しんでいる時は聖羅が支えてくれた。だから、聖羅が苦しんでいる時は私も聖羅を支え、そして、一緒に、苦しみたい。
 だから、今、私は、この場所に来た。今日、初めて、交流会に参加し た。
 まずは、学びたいと思った。
 今の部落出身者たちに対する差別はどういうのだろう? どうして部落出身者たちは苦しまなければならないんだろう? いっぱい疑問があっ て、少しずつ理解していけたらいいなと思う。今日は参加して良かったと思う。色んな意見や様々な出来事を聞くことができた。これから、もっ と、聖羅の支えになれるようにがんばろうと思う。
 私と聖羅の二人しかいないけれど、これから、月曜日は、どうしたら差別はなくなるのか? 今、私たちは何をすべきなのか? 私たちに出来ることは何なのか? というのをまじめに話し合っていきたいと思う。
 これからも聖羅との第2の出会いを大切にしていきたい!!
 全国版、楽しみにしています。 
 今日は、たくさんのことを学ぶことができました。

                 交流会に参加するまで・・・

 美香が高部連交流会に参加するまでには、美香にとって、様々の悩みがありました。ずいぶんと美香は苦しんだのでした。
 かけがえのない親友と思い始めた聖羅が美香に<部落民宣言>をしたときから、美香にとって、新しい生き方への自分との闘いが始まったのでした。部落問題について深く知りたいという強い願望を持ち始めました。まず聖羅が活動している友の会に参加することからその闘いは始まりました。それが闘いだというのは、母親を説得し、理解者にしていかなければならなかったのです。母は、よき理解者でしたが、高部連交流会にまで参加することになると、やはり、考えてしまうのでした。部落出身でない美香に何が出来るのか? どうしてそこまでやらなければならないのか? 美香は、やりたい気持ちだけは十分に持っていましたが、気持ちだけで母親を納得させることはできませんでした。そのことで、時々、母と口論することもありました。
 もう一つの闘いは、老仁のうっかりから、起こりました。老仁は、うっかり、17日が、就職模擬試験の日だったことを忘れていたのです。それがわかった美香は、「就職に影響するから、就職模試は受けたい」と強烈に願っているのでした。そのための勉強もしてきていたのです。
 聖羅は、反対に、就職模試のことを気にしていません。テッテーした勉強嫌いなんです。聖羅の半分でもいいから、勉強し始めてくれ、と老仁は懇願しなければならない有り様です。
 就職模試を取るか交流会を取るか、部落研で2度3度、議論しました。
 なぜ、美香は交流会に参加したいと思ったのか、を問い直しもしました。極端に言えば、聖羅を選ぶか、就職を選ぶか、という選択を美香は迫られたのでした。結果、美香は交流会を選択しました。それは、開き直りと直観の選択だったと言えるかもしれません。慎重で、ハミキンの美香にとっては、一大冒険ですし、大飛躍なんです。

 そんな葛藤を乗り越えて参加した交流会でした。
 それだけの成果を美香は交流会で獲得したのではないかと思います。

 公欠がばれてしまった!

 けれど、月曜日、美香と聖羅を、もう一つの闘いが待っていました。
 月曜日、部室の前で、二人座り込んで、弁当を食べています。老仁が少し遅れていったのでした。
 「仁、差別されたよ!」
 いきなり美香が叫びます。興奮が顔色を変えていました。
 部室に入って、何があったのか、とにかく、落ち着いて話そう、ということで、経過の話をしました。17日の就職模試の時、二人が欠席しているのをクラスの者から聞かれて、担当監督のT先生が、「公欠だよ」と言ってしまったのでした。それを聞いた美香がT先生と話し込んだんですが、T先生は何もわかっていない、と言うんです。
 ともかく、T先生と話し合いをして、自分たちの思いを伝えよう、ということになりました。T先生に、その経過を話して、火曜日の昼休みに話し合いを持つことにしました。T先生も、美香の提起を受けて、二人の思いを感じ取れていなかったことを反省し、話し合いの機会をつくろうと、考えていたということでした。思案し続けていたT先生は学科会議にも相談していました。
 
 深いところで出会いましょう

 火曜日の話し合いが、不都合が出来て出来なかったので、水曜日の昼休み、部室で、T先生との話し合いを持ちました。美香は、火曜日に、T先生と話をしていたので、あまり話をしませんでした。T先生が、ともかく、君たちの思いがわからなかったんで、率直に、考えを聞かせてほしいといいますけれど、聖羅も、まだ、様子をうかがって、はっきりと物を言いません。T先生は、自分がどんな考えで、「公欠」と言ったのか、部落民宣言についての自分の考えなどを話しました。大阪での在日朝鮮・韓国人の人たちの生き方に自分が学んだことや、結婚するときの親に反対された話などをして、部落差別問題についてはまだよく知らないことが多いけれど、部落差別をなくす教員になりたい、旨話しました。
 聖羅に「いい先生じゃん」と言いますと、「うん」と言います。
 「聖羅、納得したのか?」
 「だって、聞いた話と、ちがうもん」
 「どこが違うんだ?」
 けれど、その違いは、明らかになりませんでした。行き違いはあったけれど、部落民としての聖羅の思いに対する無理解はあったけれど、この先生となら、話し合っていけば、理解し合えるようになるという信頼関係が生まれたのかもしれません。物をはっきり言わなかった聖羅の瞳が、笑いながらも、潤んでいました。

 「いい出会いだったと思うね?」とT先生に老仁は尋ねました。
 「はい」とT先生。
 「部落の子たちの味方になれるね?」
 「はい」
 「部落の子の思いを心の底に据えて同和教育がとりくめるね?」
 老仁は、いわんでもいいことを、いってしまいましたが、T先生にとって、聖羅や美香との出会いが、人間的な出会いになることを願います。
 「仁の後を受けついでよ」と美香がT先生に言いました。
 理解者は、老仁よりも、若い教師の方がいいに決まっています。そういう理解者を見つけだし、作りだしていくのも、部落研活動の課題だということを、聖羅も美香も、学んだことでしょう。

 もう後ろへ下がれません

 しかし、問題は、これからなんです。
 クラスの者が「公欠」問題をどう受け止めているのか?
 そのことによって、何かが起こるのか・・・?
 聖羅の闘いが始まります。まず、グループの子に、どんな話をしていくのか、部落研で継続して話し合っていくようにします。
 美香にとっては、全高へ参加できるように、母親を説得できる中身と生き方の変革を事実で創りあげていかなければなりません。美香が、そんな闘いを始めれば、聖羅も、自分自身との闘いを、もう、避けては通れなくなるのです。   
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 希望を!

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