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   解放研                 NO・3
    通信   光の中を!   00・09・23
全高に参加して

かけがえのない親友           ー美香

 私は、8月23・24・25日に徳島で行われた「全国高校生集会」に初めて参加した。
 参加する前は、なんだか、不安と期待で、とても複雑な気持ちだった。
 この集会に参加して、様々な意見を聞いて、自分の中に、大切な何かを、きちんと得ることが、私にはできるのだろうか? と・・・。私が、今できることは何なのか?・・・という答を果たして見つけることが、私にはできるのだろうか、と・・・。

 一日目の全体集会では、石川さん夫妻がいろんな話をしてくれた。涙を流しながら一生懸命に訴えられる姿を見て、すごく感動した。どうして石川さんはこんなにも苦しまなければならないのか? と腹立たしい気持ちでいっぱいだった。

 二日目の分科会は、それぞれ自分の行きたいテーマに分かれて行動し た。午前中は、すごく静かで、あまり意見を発表する人はいないまま終了した。午後になって、広島の人が、もっと楽に、明るくやろうよ!!みたいな感じで言って、その人の一言で、その場の雰囲気がなごんできて、発表する人が多くなってきた。
 主な内容は、「立場宣言」についてだった。
 宣言して、すごくいい友達関係ができたという人や、私にはまだ言えないと言う人たちの、いろんな話を聞くことができた。私と同じ立場の人もたくさん発言していた。勇気出していってくれたことがうれしかったと言っていた人がいて、私もこの言葉と同じことを聖羅にも言ったなぁーと思い出しながら、今日の発表を聞いて、もっともっと、二人でがんばう!!と思った。
 一人でできないことがあっても、小さなことしかできないかもしれないけど、二人なら、できるような気がした。たくさんの意見が聞けて、本当に来てよかったなぁと思った。

 その後、みんなでミーティングをした。
 お互いの分科会でのことを発表した後、聖羅が、「宣言の話が今日の分科会出てたんだけど、そのことについて意見を聞きたい」と言った。
 宣言して、友達に、「そんなん関係ないやん」と言われた人や、言うのが怖い、という人もいた。
 私は、この話を聞いて、なんだかすごく悲しくなってきた。友達とかに宣言して、関係が壊れるのが怖いと思う気持ちがあるということは、未だに、このことによってたくさんの人が差別意識を持っていて、差別を受けて苦しんでいる人がいるんだと思った。
 聖羅が、みんなの前で、私に宣言するまでの気持ちの変化を話してくれた。高1のときに、私たちの高校に、美都江さんが、いろんな話をしにきてくれたときがあって、それが終わった後、私は聖羅に感想を言ったことがあった。その時、聖羅が部落だということは、全く、知らなかった。私は、美都江さんの話や歌を聞いて、すごく感動して、未だにそんな差別があるげなおかしいよね?!同じ人間なのに、と言ったみたいで、その後、「私も美都江さんといっしょなんだ」ということを聞いた。その時、私のキモチを聞いて、聖羅は、美香に言おうと思ってくれたらしくて、聞いたときは、「うん」と、それだけ言った。

 みんな、私が宣言されたときの気持ちを聞きたいと言ってくれたので、言った。
 だけど、その時、みんな一人ひとりが、自分の悩みとかをちゃんと聞いていて、考えていて、支え合っている姿を見てたら、すごく胸がいっぱいになって、言いたいことはたくさんあるんだけれど、涙が出てきて、言えなかった。
 でも、聖羅が、「美香の言葉で聞きたい」と言ってくれたので、その時のことを話した。聖羅に聞いたとき、すごくうれしくて、「言ってくれてありがとう」って言った。私は、差別とか絶対おかしいと思うけん、とも
言った。だけど、それだけで、・・・本当に、ここで、それだけで終わっていいのかな?! と思った。差別なんてしない。その言葉だけで終わってしまっていいのかな? と思った。聖羅のために、何か、私はできないのかな?! と思った。そこで終わりたくなかった。
 同じ人間であって、聖羅と美香の何が違うんだろう? って思った。私が、聖羅から得たものは、たくさんあるし、私が苦しんでいるときは、いつも聖羅が側にいてくれて、聖羅が苦しんでいるときは、私も一緒に苦しみたい。そして私が、聖羅のこと、支えてあげたい。
 宣言されたときは、一晩中、考えた。私に何ができるのかを。
 どうして聖羅は、美香なんかに、言ってくれたんだろう、って、すっごく、本当に、うれしかった。私にとって、聖羅はかけがえのない親友、って言い切れるし、そう言える自信もある。だからこそ、今、ここにいる
し、二人で部落研もやってる!! 二人でがんばってる。・・・ということをみんなに伝えた。

 泣いて、頭の中、ぐちゃぐちゃで、はっきり言えなかったけど、みん な、真剣に聞いてくれて、うれしかった。私に何かができるなんて思っていない。ただ、一緒にがんばりたい、ってことを伝えた。
 そしたら、亮くんが、美香の話聞いて、「部落なんだって言える友達を探して、言えるようになる」って言ってくれた。本当に、すっごく、嬉しかった。美香と聖羅のこの関係をうらやましいと言ってくれた。
 私は、自分のキモチとか、外に出すのが苦手で、だけど真剣に聞いてくれて、泣きながら言ったから、ちゃんと伝わってるか不安だったけど、きちんと伝わっててくれて、すごくうれしかったし、こんなにもいい友達たちに出会えてよかったな、と思った。
 聖羅との第二の出会いがあったからこそ、こんなにもすばらしい友達にも出会えたから、本当に感謝している。
 そして何よりも嬉しかったのは、私の気持ちを聞いて、聖羅が泣いてくれたこと。すっごくうれしかった。

 その後、8人は、すっごく仲良くなれて、ずっと、ミーティングが終わっても、いろんな話をした。このときの私は、この集会に参加する前の不安なんて少しもなくて、とにかく、この出会いがあって、もっともっとがんばろう、と思えた!!
 あの時、聖羅から宣言されたあの時、あそこで終わらなくて、本当によかったなぁと思う。あの時、あそこで終わってたら、きっと、自分自身にとっても、いい出会いは、これからの人生になかっただろうし、弱くて、ちっぽけな自分のままで終わってたと思う。だからこそ、今は、聖羅と出会えたことに感謝してるし、心から伝えたい。
 聖羅、ありがとう・・・って。

 そして、最初に思ってた、大切な何かを、きちんと得ることが私にはできるのだろうか? という答・・・きっと私の心の中にあるこの、これからがんばろうと思う自信と期待こそが・・・私にとっての答のような気がする・・・。

本音の出せる友の会にしたい             ー聖羅

 2回目の全高はすごく楽しいものとなりました。
 でも、やっぱり、行く前の不安もあって、行くのが少し嫌でした。
 その不安というのは、去年も全高に行ったんだけど、帰ってきてから、全高に行ったときに学んだことが、あまり自分の中で生かせずにいたからです。
 でも、その不安が一気に消されたのは、徳島に着いてからでした。
 一日目は全体会で、徳島の人たちが色んなことをしてくれていました。
 でも実は、一日目はあまり席が空いてなくて、外へ出たりしてました。初めの方は話とか全然聞けずにいました。石川さん夫妻の話もありまし た。奥さんのさち子さんは徳島出身らしく、とても懐かしそうに、とてもやさしい顔をしながら話をしてました。途中涙を流しながら話をしていたのが印象的でした。
 一日目は、なんか、そんな感じで終わってしまい、ちょっと失礼やったなぁ、と思いました。

 夜も、話はしなかったので、あやちゃんと美香とテレビ見ながら話してたら、眠くなって、ひとり寝てしまいました。私がひとり寝ている間に、いろいろと事件があったようで、後から聞いてびっくりでした。みんなが起きているとき私は寝てたので、夜眠れず、ひとりで、さみしく起きてました。

 二日目。私たちは女三人で、第2分科会に行きました。
 前半は話を聞くだけで終わりました。
 後半になると、広島県連の男の人がその場をすごく盛り上げてくれて、いい感じになって、みんな寝てた人も起きて、話を聞いていました。話の内容は、「誇り」と「立場宣言」でした。その人は誇りについてこんなことを言ってました。「みんなけっこう出身が誇りとか言いよるけど、ちゃんと誇りの意味とかわかって言いよっと? けっこうわかっとらんちゃない?」って感じで言ってて、私は出身ってことを誇りって思いよって、なんか自分を否定された気分だった。
 だから、ぜったい自分の考え言いたい、って思って、自分の考えまとめないまま、マイクの前に立ちました。そのせいで、何言いたいかもわからなくなって、言いたいことがまったく言えんくて、かなしくなりました。
 でも、みんな、聞いてくれて、すごくうれしかったです。でも、仁が寝とって、聞いとらんって言ったので、ムカつきました。
 美香も言う! って言いよったけど、マイクの取り合いのせいで、言えずに終わってました。
 でも、みんなも私も、自分の考え言うのがいっぱい×2で、人の意見に対してのアドバイスがしてやれんくて、そこだけが少し足りんかったかなと思いました。

 そして、夜の話し合いでも、けっこう本音で話し合えました。
 初めの方は二日目の感想を言って、でも、満足できずに終わってる人がいて、だから、じゃあ、ここで話そう、みたいになって、色々話しまし た。自分には立場宣言できる人がいるか、立場宣言できるか。など色んな話をたくさんしました。
 みんながいっぱい話して、すごくいい感じになりました。今までの友の会にない雰囲気で、きっと、みんな、自分の素顔の部分を出してくれたと思います。

 私も自分の本音が言えたし、話し合いが終わった後も、部屋に戻って話してたし、かっちゃん(勝也くん)了、玄太、夕くん、精ちゃんと遊んでました。かっちゃんとか、見た目と違って、おもしろい人だったし、話してよかったと思いました。
 きっと、友の会の中にも、話してみないとわかんない人っていっぱいいると思う。友の会の中にも、あの雰囲気を作りたい。
 全高に行ってよかった。
 秋ちゃんとも、前より、仲良くなれたと思うし、美香を誘ってよかっ た。

 全高に行くと、ほんとに、たくさんの勇気がもらえます。
 来年は、福岡。
 みんな一緒に行けると思ってます。
 そして、全国のみんなと友達になりたい。
 友の会のみんなと仲良くなりたいです。

セルフエスティーム     ー自らを光として生きる

 聖羅と美香の<出会い>が深みと広がりを持ち始めました。
 聖羅と美香の出会いは、日常的な、クラスメートとしての友達関係として、自然に成り立っていきました。語り合える仲、支え、勇気づけ合う仲。グループの色々な出来事やもめ事を通して、美香は聖羅に大きな信頼を持ち始めていました。
 美都江さんの講演を契機に聖羅が<部落民宣言>をしたとき、二人の出会いは新しいステージに踏み出すことになります。美香は、その新しいステージを<聖羅との第二の出会い>と呼んでいます。
 普通、高校生活の中で、第一の出会いがいくつか成り立ちますが、第一の出会いを持てない人もかなりいます。美香は第一の出会いで、聖羅を<かけがえのない友達>と位置づけました。
 美香にとって、どうして、聖羅が<かけがえのない友達>になったのか、もう少し詳しく聖羅との関係とその思いを語ってほしいと思います。美香がそのことを語ってくれることで、聖羅が、どんな人間なのか、どんな人間になろうとしているのか、見えてくるような気がします。

 そのことが聖羅にとっては、セルフエスティーム、聖羅が自分自身を大事にするということがどういうことなのかを聖羅自身に自己認識させてくれる契機になると思うのです。言い換えれば、聖羅が、自分の中のいいもの、聖羅らしさを、あらためて、事実を通して、確認できることになるのです。

 部落民であることを誇りに思う 

 聖羅は、いつ頃から、「出身であることを誇りに思う」と感じるようになったのでしょうか・・・?
 それは、どうして、そう感じることができるようになったのでしょうか・・・?

 部落研の先輩であり、聖羅の先輩である美希も「部落を誇りに思う」と感じて、胸張って生きてきました。張り合っていたクラスメートの幸恵に<部落民宣言>をして、幸恵と美希の出会いが始まり、幸恵は高部連の合宿に参加し、総会に参加し、「部落を誇りに思う」美希との出会いを、久留米市の弁論大会でメッセージとして発信しました。

 聖羅の生き方の中に、きちんと据わっている何かがあります。
 その何かが、聖羅が<誇り>と呼んでいるものだろうと仁は思うのです。
 部落研の先輩で、聖羅の叔父さんになる伊知郎さんも「部落を誇り」に生きてきました。聖羅は伊知郎さんの生き方を見て育ってきました。聖羅が伊知郎さんをどんな思いで見てきたかを語ってくれれば、聖羅の中にある<何か>が、もっと、美香や仁にも、見えるようになっていくだろうと思います。
 聖羅は、支部の人たちや先輩たちの生きざまを見ながら育ってきました。その人達の生きざまにたくさんのことを学んできたと思います。その学びが聖羅の中で、<誇り>として、聖羅の芯を支えてきたのでしょう。
 その芯を<信念>に高めていくステージに、今、聖羅は立ったのだと思います。美香との出会いが聖羅を、新しい出会いに、押し上げたのでした。

 美香と聖羅の話の中で、よく、伊知郎さんのことが出てきました。
 部落研活動の基本として、これから、目的と課題をもって、伊知郎さんのことを、もっと、語り合えるようにしていけたらいいなあと思っています。そして、部落研活動の目的や課題が具体的になってきたら、伊知郎さんと直接話し合えるようになっていくでしょう。

 全高が福岡で開かれることが、聖羅にとって、飛躍の好機になることを、仁は願っています。
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