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21世紀を<平和の世紀>に! 02−11
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<21世紀を平和の世紀に!>掲示板
テロと報復     資料集(12)
暴力と報復の連鎖をたち切るために
10/18から10/21デイヴィッド・マックレイノルズさんのスピーチ
 
 平和と正義をめざす友人、仲間のみなさん! 今日ここで、お話する機会を与えられ大変光栄です。 私はまず、日本の平和運動がいかに重要かいうことから、申し上げたいと思います。それは日本国内の軍事化に歯止めをかけるというだけではなく、この暗黒の時代に、我々のここにいる友人が闘い続けることを決意していると、世界の人々に思い起こさせてくれるからです。私はニューヨークからのメッセージを持って来ました、ジョージ・ブッシュがアフガニスタン空爆を開始した日、マンハッタン では1万人もの人々が平和を求めてデモ行進しました。そのとき我々が持って行った横断幕のひとつは、今日ここに結集している友人たちからの贈り物で、我々はそれをとても誇りに思いました。
 メディアは、すべてのアメリカ人が、ジョージ・ブッシュを支持しているかのように伝えています。私はここではっきり、それは違う、嘘であると申し上げます。どこの大学にも、またどこの地域にも、戦争に反対するために働きかけているグループがいます。教会もブッシュと戦争に、反対の立場を明らかにしました。 我々は国際的に深刻な危機の中にいます。その深刻さはどんなに過大に評価してもしすぎることはありません。国防省と世界貿易センターに対する9月11日の攻撃は、新たに危険な攻撃の連鎖の口火をきりました。 私は世界貿易センターから1マイル半のところに住んでいるので、その日のことからお話しましょう。私が午前10時に仕事でアパートを出たとき、ハイジャックされた飛行機2機は、すでに世界貿易センターに突っ込んでいました。しかし、その朝テレビをつけていなかったので、これに気付いていませんでした。 私は何百人もの人々が、ひたすら北に向かって歩いているのを見ましたが、なぜそんなに多くの人が歩いているのか、またどこから彼らがやって来たのか分かりませんでした 私は彼らの1人に、地下鉄が故障したのかたずねました。 彼は南を指差して「ジェット機が世界貿易センターにぶつかった」と言いました。南を見ると、空に煙の巨大な噴煙が立ち上がっていました。 私は家に戻って、そしてテレビを付けました。そして2つのタワーが崩壊してしまったのを見ました。百階建てもの建物が崩れ落ち、その後に火災とすごい煙とほこりが残されました。
 我々は最初それを信じることができませんでした。マンハッタンのスカイラインが、1時間足らずですっかり変わってしまったのです。すべての地下鉄はストップし、橋とトンネルは閉鎖され、町はマンハッタンの南端に急行する救急車の音で満たされました。 まもなく私たちは、緊急病棟に運ばれた中に生存者はほとんどなく、ビルの崩壊に巻き込まれた人はすべて亡くなってしまったことを知りました。
みんさんも私も、アメリカがその外交政策の中でひどいことをしてきたことを知っています。また他の多くの国も、ひどいことをしてきました。日本でいえば 朝鮮、その後中国への侵略、真珠湾攻撃。 西ヨーロッパとソ連へのナチの侵略。1千2百万人もの人々が虐殺された死の収容所。そのうち600万人がユダヤ人で、それは世界中のユダヤ人の3人に1人でした。 私は今ここで、各大国の罪の歴史について講義するのに時間を割くわけにはゆきません、たとえそれが英連合とその帝政支配、あるいはベルギーとコンゴの大虐殺、アフガニスタンにおけるソ連のいずれについてであろうと・・・ 私が前世紀における人道上の罪と、それにかかわった国々を列挙し始めるだけで、時間がなくなってしまうでしょう。
 しかし、9月11日の犯罪を引き起こすに至った米国の行為については、若干列挙させて下さい。インドネシアとその東チモール抑圧への支持。 3百万人以上を犠牲にしたベトナム、ラオス、カンボジアへの武力侵入。 戦犯として裁かれるべきイスラエルのアリエル・シャロンへの支援。 CIAによるチリのアジェンデ政権の打倒。 中米のほとんどすべての国の殺人部隊(非正規軍)への資金供給。そしてその殺人部隊は、米国が供与した武器を使い、School of the Americas (軍学校の中にある殺人や拷問の特殊訓練所)で訓練を受けた者によって指導され、労働組合の幹部やカトリックの司祭、修道女、小作農、女性、子供たちを殺害してきました。この人たちはみんなより良い生活をしたいと願っていた人々でした。 湾岸戦争とその後の制裁は、イラクの50万人以上の市民を犠牲にしました。そしてそのほとんどは子供と老人でした。

 大多数のアメリカ人はこれらの蛮行について知りません。メディアがめったに報道しないのと、政府高官が常に事実を否定しているからです。 冷戦が続いていた時代は、米ソがどんなにかけ離れても、互いにチェックし合う機構は働いていました。しかしソ連の崩壊後、外圧のない唯一の超大国が残り、国の外交政策を変えさせるような大衆運動はまだ不十分でした。これは先日の選挙で明らかに証明されています。敗北していたにもかかわらず、ジョージ・ブッシュが大統領となり、宣誓を行いました。
 だからこそ、これらアジア、アフリカ、中東、ラテンアメリカの民族に対して加えて来た数々のアメリカの悪事と犯罪から、テロリストのネットワークが生まれたのです。
 ニューヨーク市民もみなさんと毎日同じような生活をしています。働いて、家族を養い、映画に行ったり、借金や健康の心配をしたり・・・、でも国外の問題については、みんなそれほど関心をはらってはいません。ですから、世界貿易センターの破壊は大きな悲嘆とショックをもたらし、「どうしてそんなに我々を憎むの? いったい誰がこんなことをしたがるの?」と、互いに不思議だったわけです。 世界貿易センターで死んだ5,000の人々は、戦争をたくらんでいたわけではありません。彼らは労働者でした。多くはアフリカ系アメリカ人、アジア系、ラテン系といった白人以外の人々や、中東出身の人々でした。 彼らは国家の犯罪に関して罪はありません。それでもなお、罪なき人が犠牲者になるのがテロリズムの本質なのです。何万人という家族が、今、父や息子、妻や母、兄弟、姉妹を、あの恐ろしい日の粉塵と炎の中に失ったという事実を受け入れようとしています。 これら5,000人の人は、第二次世界大戦中ドレスデンの空襲で死んだドイツの労働者、あるいは東京空襲や一瞬にして町が消滅した広島、長崎の原爆で犠牲になった日本の労働者、主婦、学生と、何ら違いはありません。
 オサマ・ビン・ラディンは9月11日のテロを支持しました、彼あるいは彼の仲間の犯行であるかもしれません。しかし、我々にはこれは分かりません。 ブッシュは証拠を持っていると言っていますが、タリバンには提示していません。 彼はアメリカの議会、あるいはアメリカの新聞にすらそれを公表していません。 その代わりに、トニー・ブレア英国首相とだけ共有しています。 要するに、9月11日に恐ろしい犯行があったけれど、誰がその行為を組織したのかについて、我々には証拠がないのです。
 ブッシュは、国際法廷の場で、彼の主張する完全なる証拠に基づいて告訴を行う代わりに、アフガニスタンへの爆撃を始めたのです。 アメリカの空爆は、ソ連軍が長年に渡ってそこで行ったこと、あるいはソ連軍撤退後のアフガン国内での内戦と何ら変わりません。アメリカの爆弾は瓦礫の跳ね返りを生むだけで、そこには人の命以外に、もう破壊する価値のあるものなど何もありません。 ブッシュがしたことは、何十万人もの人々が、家もなく飢えと乾きに命からがら逃げ出すという、難民危機の記念碑を打ち立てただけです。 ブッシュは食料投下を行うと宣伝していますが、 食料と爆弾を落とすなんて、なんというあざけりでしょうか。 それは私が育ったアメリカというより、むしろヒットラーを思い起こさせるような恐ろしい宣伝工作です。
 ブッシュと彼の取り巻きに分かっていないことは、落とされるすべての爆弾が新しいテロリストの種であり、オサマ・ビン・ラディンが生まれた土壌に、水と肥料を与えるのだということです。タリバンという 抑圧的な政権を生んだのはCIAであり、ソ連に対抗するためCIAが資金供与を行っていたことを、我々はどうして忘れられるでしょうか? またオサマ・ビン・ラディンに関しては、彼は最初アメリカ側の戦士として米軍を助けていたのが、アメリカが湾岸戦争中にサウジアラビアに基地をおいたのをきっかけに、アメリカに歯向かってきたことを、どうして忘れられるでしょうか? 空爆が続くかぎり、イスラム社会の大規模な抗議は続きます。ジョージ・ブッシュの政策は、政権打倒にもつながりかねないパキスタン国内の深刻な緊張を生んでいます。そしてインドとパキスタン間には、武力衝突や核戦争の可能性すら出てきています。ウズベキスタンに米軍の基地を置くことや、アフガニスタンに米軍の地上部隊を展開することは、中国に深刻な懸念を与えるに違いありません。

 9月11日という日には、アメリカの歴史上のどんな日の事故あるいは戦争における死者よりも、多くのアメリカ人がわずか2時間の間に亡くなったのです。 第三世界の緊張、つまりアメリカ帝国主義的政策の不正義と罪悪の結果は、合衆国最大の都市の心臓部を破壊し、そしてまたアメリカの軍事行動の司令部である国防省(ペンタゴン)にも壊滅的な損害を与えるに至りました。
 これらテロ攻撃を組織した者どもは、国際法の下で公正に裁かれなければならないということに、何の疑問もありません。 彼らは罪のない人々を殺した犯罪者です。彼らは法律に基づいて裁かれなければなりません。しかし、アフガニスタンに対するアメリカの攻撃は合法的行為ではありません。それは違法な大統領による非合法の行為です。それは民間人に向けられた集団リンチです。 アフガニスタンは世界中で最も貧しい国の1つです。それはクラスター爆弾ではなく、多くの援助を必要としています。 4人の国連職員も含め、何百人もの民間人が死にました。 国防省は精密兵器について語っています。 恥ずべきことです。我々はアメリカのイラクに対する攻撃、そしてセルビアへの爆撃の中で、精密兵器が民間人に命中するのを見てきました。 人はどんな国の軍隊に対しても、民家人の死を「仕方がないこと」として済ませることを許してはなりません。 これらは人間の命なのです。 子供は孤児になり、妻たちは未亡人なってゆきます。はっきり言っておきます。アフガニスタンに対するアメリカの攻撃は擁護できません。それは国際法の下で犯罪です。
 日本が交戦権を禁じる憲法を維持することは、非常に重要です。9条はすべての国が持つべきものなのです。私は合衆国がそれ自身の9条を持つ日のくることを期待しています。この集会はとても重要です。なぜなら、日本政府と世界のすべての人々に対して、集団的自衛権の発動としての自衛隊派兵に反対だと言っているからです。もし我々が暴力のない世界を望むならば、武力の行使をやめなくてはなりません。

 富める国と飢えと病気に苦しむ人々との間に、鮮明な分断があるかぎり、世界平和はありません。アフリカでエイズと闘うために使うことができた、あるいは、アフガニスタンの人々に食べ物を与えるために使うことができたはずの資金が、軍事費と武器につぎ込まれて行っています。 公正な世界を達成するには、多国籍企業とアメリカの帝国主義的支配と闘うことのできる世界中の人々を、北から南、東から西まで、幅広く動員することが必要です。テロリズムを終わらせる展望は、少数の裕福な人に対する特権擁護の中にではなく、多くの人々のための社会正義を達成することの中に見出すことができます。

 私はみなさんに、私の国の最も良心的な人々と連帯する努力を続けてくださるよう訴えます。
 最後に、前世紀の偉大なアメリカの指導者、故マーティン・ルーサー・キング博士の言葉を引用して、講演を終わりたいと思います。

 『暴力の最大の弱点は、それがまさに破壊しようとしているそのものを生み出してしまうという悪循環にある。悪を衰退させる代わりに、それを増殖してしまう。暴力を通して、嘘つきを殺すことはできるかもしれない。しかし、嘘そのものを消し去ることはできない。まして真実を確立することはできない。暴力を通して、憎いヤツを殺すことはできるかもしれない。しかし憎しみそのものを消し去ることはできない。現に、暴力はただ憎悪を増すだけである。暴力に暴力で応えることは、すでに星を欠いた夜に、さらに深い闇を加え、暴力を増大させる。 暗闇が暗闇を追い払うことはできない。それをなしえるのは光だけである。憎悪が憎悪を追い払うことはできない。それをなしえるのは愛だけである。』
http://www.ne.jp/asahi/lpl/musubu/lpl8.html#1021David
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